ドローンでイベントを空撮するには?申請条件や注意点を解説
パーティーやお祭り、マラソン大会など、イベントの様子をドローンで空から撮影したいと考える人は多いでしょう。しかし、ドローン飛行のルールは航空法によって定められており、イベント会場をドローンで空撮すると法の禁止行為に接触してしまう恐れがあります。本記事ではイベント上空でのドローン空撮について解説します。
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イベント会場をドローンで空撮してもOK?
イベント会場でのドローン飛行や撮影の可否について解説します。
基本的には航空法によって制限されている
イベント会場上空でのドローン飛行は、落下により地上の人へ危険が及ぶことを防止するという趣旨から、基本的には以下の航空法の飛行ルールで禁止されています。
第132条2-8:無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること
ここでのイベントとは、特定の日時に人が集まる場所を指します。そのため、人がたくさん集まっていても信号待ちや混雑によって生じた人混みなど、自然的に発生したものであればイベントには該当しません。しかし、該当しない場合でも多くの人が集まる場所の上でドローンを飛ばすリスクが大きいため、避けた方が良いでしょう。
私有地内でのイベントも航空法は適用される
イベント会場の上でのドローン飛行は禁止されていますが、私有地内であれば良いのではないかと考える人もいるでしょう。しかし、私有地内でも航空法は適用されるので、イベントが行われている際はドローンを飛ばすことはできません。
主催者の撮影許可だけでは意味がない
イベントの主催者が撮影許可を出した場合、ドローン空撮が可能と思われますが、国土交通省からの許可がなければ航空法の違法行為にあたるのでやめましょう。イベントの主催者や関係者からドローン撮影の依頼があった場合は、事前に国土交通省に許可申請をする必要があります。
イベントでドローン空撮を行う際の条件
イベントでドローン空撮を行う際は、国土交通省から許可を得る必要があります。許可申請の際に求められる4つの条件について、国土交通省の「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」を元に解説します。
人とドローンとの距離制限
イベント上空でのドローン飛行では、人とドローンとの間の距離に制限があります。以下の表に則り、イベント参加者の立ち入り禁止区画を設けましょう。
ドローンの高度 | 立ち入り禁止区画 |
---|---|
20m未満 | 飛行範囲の外周から 30m以内 |
20~50m | 飛行範囲の外周から 40m以内 |
50~100m | 飛行範囲の外周から 60m以内 |
100~150m | 飛行範囲の外周から 70m以内 |
150以上 | 飛行範囲の外周から落下距離以内の範囲(当該距離が 70m未満の場合にあっては、70mとする) |
また、飛行経路の直下や周辺に第三者が立ち入らないように注意喚起を行う補助者の配置等を行うこともルールであるため、区画の境界線には警備員などを配置する必要があります。
飛行技量が十分にある人物が操作する
イベント上空でドローン飛行を行う場合、ドローンの操作は技量が十分にある人が行う必要があります。具体的には以下の条件を満たした人が該当します。
- 想定される運用により、10回以上の離陸・着陸を含む3時間以上の飛行実績がある
- 意図した飛行経路を維持しながらドローンを飛行させることができる
安全確保の体制をしっかりとる
イベントや催し物でドローンを飛ばす際は、以下の安全体制をとることも条件です。
- 第三者や建物等に接触した際、危害を軽減するためのプロペラガード等の構造を有すること
- 飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置すること
- 風速5m/s以上、飛行速度と風速の和が7m/s以上の場合には、飛行を行わないこと
飛行内容・ルートのマップを定める
イベント上空でのドローン飛行の申請を行う際は、飛行範囲やルート、補助者の立ち位置を書き込んだマップを提出する必要があります。国土交通省はこのマップを見て修正を入れたり、許可の判断を下したりするため、もしも異なるルートを飛行すると航空法違反にあたるので注意しましょう。
ドローンでイベントの空撮を行う場合は事前にルール等の確認を
イベントでドローン空撮を行う際は、事前に国土交通省に許可申請をしなければなりません。申請の際は立ち入り禁止区域の設定など様々な条件を満たす必要があるので、事前にしっかりルールを確認して準備を進めましょう。
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