農業用ドローンとは?気になる活用方法やメリットまとめ
農業用ドローンを導入したいけれど、具体的にどのような活用方法やメリットが得られるのかという疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、農業用ドローンの基礎知識や活用方法、使用するメリットをご紹介します。農業用ドローンの導入を検討している方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
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農業用ドローンとは
農業用ドローンとは、肥料や農薬を積めるタンクやノズルなどを搭載したドローンのことです。高齢化しつつある農家の生産者に代わり、負担の大きい農作業を行います。
近年では、AI技術やロボットを活用した「スマート農業」と呼ばれる新しいスタイルが推奨されています。そのため、農業用ドローンにも注目が集まっており、少子高齢化や農村地区の過疎化などによる人手不足問題を、解消してくれるのではないかと期待されています。
農業用ドローンと一般的な空撮用のドローンとの違い
農業用ドローンと一般的な空中ドローンでは、使用目的が違うため、構造やサイズが異なります。農業用ドローンは、一般的なドローンよりもサイズが大きいことが特徴で、両手で抱えて持ち運ばないといけないサイズのものがほとんどで、大きいものだと重量25キロほどにもなります。また農作業に特化した造りになっているため、耐薬性や耐水性に優れているのも特徴です。
機体の価格はどのくらい?
機体の購入費は、100万円〜300万円程度です。その他にも、メンテナンス費用や保険料もある程度必要になります。そのため、農業用ドローンを購入する場合には、投資した分のコストをしっかり回収できるかどうか、事前に検討しましょう。
農業用ドローンを活用する方法
ここでは、農業用ドローンが具体的にどのように活用されるかをご紹介します。
農薬や肥料を空中から散布する
農業用ドローンに農薬や肥料を積載して、空中から散布します。以前よりニーズはあったのですが、機体に重い肥料や農薬を積まないといけないことで、実用化に至っていませんでした。しかし近年では、ドローンの性能が大幅に上がり、重いものでも問題なく運べるようになったため、農薬や肥料散布の実用化が進んでいます。
種まきの効率化
農業用ドローンは、水田の種まきを効率化させるためにも活用されています。風が吹くと種子が飛んでしまい、予定した場所と違う場所に撒いてしまう可能性があるため、鉄粉で種の周りをコーティングするなどの方法が取られています。
農作物や土壌の状態確認
以前は、人工衛星から得た画像を分析して、農作物や土壌の状態、害虫などを確認していました。しかし、農業用ドローンを利用すれば、空撮映像を確認して数値化までできるため、農作物により良い環境を作り出せます。
農作物などの運搬
実用化には至っていませんが、農作物など重いものを運搬するための実証実験が行われています。農業従事者は高齢化が進んでいる傾向にあるため、いかに重いものを無理なく運搬できるようになるかが大きな課題です。重いものを積載した状態である程度の距離を飛行できるようになれば、農家にとって大きな改革となるでしょう。
鳥獣被害対策
赤外線カメラを搭載したドローンを使用すれば、鳥獣被害対策にも役立ちます。監視をするだけではなく、害獣や害鳥の生態調査を行うことで、対策を立てやすくなるでしょう。また、ドローンから動物が嫌いそうな音や臭いを発することも可能です。
農業用ドローンの操作に必要な資格
農業用ドローンの操作自体に免許や資格は不要ですが、農林水産航空協会の認定機や、クボタ、DJIの農業用ドローンなど選ぶ機体の種類によっては、技能認定を受けなければ購入できません。
ただし、いかなる機体であっても、農業用ドローンを使用して農薬散布を行う場合には、国土交通省に飛行承認申請を行う必要があります。また安全面を考えると、講習会や専門のスクールで正しい知識を身につけてから使用した方が良いでしょう。
農業用ドローンを選ぶ際のポイント
農業用ドローンを選ぶときのポイントをご紹介します。大きな買い物なので、失敗しないように注意しましょう。
最大飛行時間を確認する
田んぼや畑の広さによって、1回の作業時間は異なるため、面積に適した飛行ができる機体を選びましょう。バッテリー容量が小さいものだと、何度も充電を行わなければならず、効率が悪くなります。そのため購入時には、必ず最大飛行時間を確認してください。
タンクの容量を確認する
タンクの容量が畑や田の広さに適しているかどうかは、非常に大切なポイントです。広さに対してタンクの容量が小さすぎると、必要バッテリー数が増えてしまいます。とはいえ、容量の大きいものを選ぶと、機体の大きさも大きくなるため1人では扱いにくく、本体価格も高価です。
散布の仕組みや速度を確認する
農薬散布の方法や速度などの性能も、ドローンの種類によって異なります。作業効率をアップさせるためにも、散布のシステムや速さなどの性能に優れたドローンを選びましょう。しかし、優秀な機体は価格が高い傾向にあります。どの程度の期間でどのくらいの額を回収できるかなど、コスパ面も十分に検討してから購入しましょう。
飛行性能を確認する
ドローンのメイン機能ともいえる、飛行性能の確認も大切です。障害物を見つけた場合に素早く回避する性能や、農薬散布の精度をより高めるための安定感が大切です。また農薬ドローンの中には、手動で操作するタイプと、あらかじめデータを入力することで自動飛行ができるタイプの2種類があります。価格とのバランスを考慮して、どちらが必要かじっくり検討してみましょう。
総重量(最大離陸重量)を確認する
ある程度重いものが運べるドローンは、その分機体の重さも重い傾向があります。作業能率ももちろん大切ですが、1人で扱えるかどうかも十分考慮した上で選びましょう。またドローンの重量は、機体のみの重さだけではなく、バッテリーや農薬を搭載した状態の重さも考える必要があります。
離陸重量があまりにも重い場合には、点検の基準やライセンスの条件が異なり、個人で取り扱うことが難しくなってしまうかもしれません。
技適マークがあるかを確認する
農業用ドローンを選ぶ際には、技適マークがあるものを選びましょう。技適マークとは、電波法をクリアしている機体の証明です。日本製のものであればほとんど問題ないのですが、外国製のドローンだと、日本の電波方に適合していない恐れがあります。
農業用ドローンを使用するメリット
農業用ドローンを使用するメリットを解説します。
仕事を効率化できる
農業にドローンを取り入れる最大のメリットは、作業効率化できる点です。農業用ドローンを使えば、肥料や農薬の散布を人の手で行った場合よりも、はるかに速く作業を行えます。さらに時間やコースをあらかじめプログラミングしておけば、夜間であってもその通りに作業を進めてくれるため非常に便利です。
コスパが良い
ドローンを農業に取り入れることによって、人件費や作業時間を抑えられます。産業用ヘリコプターを使った作業よりも手軽で、費用やメンテナンス費も大幅に削れるため、今後もどんどん普及していくでしょう。機体の価格にもよりますが、7ヘクタール以上の広さがある場合には、トータルコストで得をする傾向があるようです。
小回りが効く
農業用ドローンは、重機よりもはるかに小さいため、細かい場所での作業が可能です。重いものを運ぶ場合や高齢者が機械に頼りたいときに、立地によっては重機が使用できないケースもあります。しかしドローンであれば、場所を選ばずに小回りを効かせながら作業を行えます。
まとめ
農業用ドローンの基礎知識や活用方法、使用するメリットをご紹介しました。農業用ドローンの使用がさらに浸透すれば、農家の人手不足の解消に一役買うことは間違いありません。今回の記事を参考に、ぜひ導入を検討してみてください。
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