【熊本豪雨】天草市災害報告
【災害対応レポート】
豪雨災害発生時、株式会社岳が果たした役割
― ドローン×GISによる「判断できる情報」を現場から ―
株式会社岳は、天草市と防災協定を締結し、災害発生時に
おけるドローンを活用した情報収集・解析支援を担って
います。
今回の豪雨災害においても、私たちは「安全な避難」
「迅速な判断」
「二次災害の防止」に少しでも貢献するため
発災当日から現場へ出動しました。
■ 豪雨当日、即座に現場へ
― 危険な状況下での初動対応 ―
豪雨が続く中、
雨天対応が可能なドローン機体を準備し
4WD車両で現場へ向かいました。
すでに市内の一部では幹線道路の水没
車両の立ち往生、深刻な交通渋滞が発生
しており、人的確認だけでは全体像を把握
できない状況でした。そこでドローンを飛行させ
水没した幹線道路を上空から撮影・リアルタイムで中継。
現地の状況をそのまま「映像」として可視化し、
災害危機対策本部へ即時共有しました。
■ 「見える」だけで終わらせない
― GISを活用した判断材料の提供 ―
撮影した映像・写真データは、
GIS
(地理情報システム)に取り込み、位置関係を明確化。
どの道路が
どの範囲で
どの程度水没しているのかを地図上で整理し、
災害対策本部の会議資料として活用されました。
この幹線道路は、市内でも交通量が多く、水没したまま
通行が続けば、さらなる事故や渋滞、救急対応の遅れに
つながる恐れがありました。
結果として、
道路使用の自粛を早期に促す判断につながり、
二次被害の抑制に貢献することができました。
■ 崩壊箇所の詳細調査
― 数字で示す「危険度」 ―
その後、
土砂崩壊が発生した箇所の詳細調査を実施。
ドローン測量により崩壊範囲、流れ出た土砂量の計測
地形の変化を数値化しました。
また、
孤立の恐れがある集落へ続く道路状況の確認を行い、
「どこまで通行可能か」「どこが危険か」を明確にして報告。
■ 天草市からの依頼
― 避難判断を支えるドローン測量 ―
天草市から特に求められたのは、
「崩壊箇所から、避難指示を出した集落までの正確な距離や
影響範囲が分からない」という点。そこで私たちは、
以下のデータを組み合わせて説明。
GIS上での距離計測・面積測定
360度カメラによる現地の立体的把握
ビフォーアフターのオルソ画像(災害前後比較)
崩壊箇所と隣接する民家の位置関係の確認
単なる写真ではなく、
「なぜ避難が必要なのか」「どこまで影響が及ぶのか」を
誰が見ても理解できる形で可視化しました。
これにより、
避難判断・住民説明・今後の対応検討に活用できる
実務レベルの資料として提供することができました。
■ 災害時に求められるのは「飛ばす技術」ではない
災害対応において本当に求められるのは、ドローンを
飛ばすこと映像を撮ることだけではありません。
「判断できる情報に変換し、正しく伝えること」
これこそが、私たち株式会社岳の役割だと考えています。
■ 地域とともに、命を守る技術を
株式会社岳は、
天草市と防災協定を締結する企業として、平時の訓練
技術研鑽を積み重ね、いざという時に“使えるDX”を
提供できる体制を整えていきます。
これからも行政地域関係機関と連携しながら、
「命を守るためのドローン活用」を実践し続けていきます。
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