ドローンによる太陽光パネル点検方法とは?メリットや課題も解説
これまで太陽光パネルの点検は主に人の手で行われてきましたが、近年ではコストや人員削減等のメリットがあることから、ドローンを導入する企業が増えてきています。本記事ではドローンによる太陽光パネル点検の作業方法やメリットをご紹介します。
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ドローンによる太陽光パネルの点検方法
ドローンを活用した太陽光パネルの点検方法について解説します。
赤外線による点検方法
ドローンに搭載した赤外線カメラによる点検では、通電の状態(=発熱の状態)を確認できます。異常がある箇所は温度が周りと異なり、色が変わって見えるので、パネルの表面を見ただけでは分かりにくい内部の故障も瞬時に見つけることができるのです。
また、コネクターの異常もすぐに発見できることも大きなポイントです。太陽光パネルの目視検査ではパネルの表面は確認しても、コネクターの状態までは確認しないことがほとんどです。しかし、コネクターが接続されていなかったり、コネクターに故障があったりすると正常に送電されません。赤外線カメラならば、コネクターに異常があればこちらも色が変わって見えるので、即発見することができます。
太陽光パネル点検をドローンで行うメリット
太陽光パネルの点検をドローンで行う下記4つのメリットについて解説します。
- 作業員・作業時間を削減できる
- 効率的かつ精度の高い点検が可能
- 作業員の安全確保
- 点検内容のデータをチェックしやすい
作業員・作業時間を削減できる
これまでの太陽光パネルの点検は、人がパネルを1枚ずつチェックしなければならなかったため、非常に多くの人員と時間を必要としました。さらに、現場が山中など人里から離れた場所にある場合は、現場までの交通費やガソリン代もかかるため、コストも高額になりがちでした。ドローンは操縦者がいれば点検が可能なので、従来の方法に比べて人員と作業時間の大幅な削減が可能となります。
効率的かつ精度の高い点検が可能
従来の太陽光パネルの点検方法は、人の目視によるものが主流でした。しかし、この方法では時間がかかる上に、見づらい内部などの異常を見逃してしまうミスも発生する可能性がありました。ドローンならば、最短ルートで効率よく各パネルを周ることができるので、効率的に点検できます。また、赤外線カメラで見えづらい箇所も簡単にチェックできるため、異常の見逃しも少なくなり、精度の高い点検が可能となるのです。
作業員の安全確保
作業員の安全を確保できることも、ドローンによる点検の大きなメリットの一つです。表面からは見えづらい場所が破損していたり水没していたりするパネルは、触ると感電の危険があります。また、屋根の上など高所に設置しているパネルの点検は転落の危険が伴います。ドローンを使えば、パネルに人が手を触れたり近づいたりする必要がなく、安全に点検ができます。
点検内容のデータをチェックしやすい
従来の点検方法では、結果をマップ上に書き込み点検報告書を作成していたので、時間がかかっていました。また、過去の点検内容を確認したい時は膨大な量の点検書の中から該当のデータを探さなければなりませんでした。ドローンを使った点検では、撮影した画像や映像をデータ化して残しておけるので、過去の点検履歴を簡単にチェックできます。
ドローンでの太陽光パネル点検の課題
ドローンによる太陽光パネルの点検は多くのメリットがありますが、一方で課題もあります。
点検時の天候・気温に影響されやすい
ドローンの多くは防水加工がなされておらず、雨に当たると故障する可能性があります。また、風が強いとコントロールが効きにくくなるので、強風の日はドローンを飛ばすことができません。赤外線カメラによる点検はパネルの異常加熱を捉えるために、発電効率の高い晴天時に行う必要があります。このように、ドローンによる太陽光パネルの点検は天候に左右されやすいため、点検の当日が悪天候である可能性も踏まえて余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
ドローンによる太陽光パネル点検はコスト削減につながる
太陽光パネルの点検は、従来の方法では多くの人員と時間、手間がかかっていました。また、破損したパネルや高所に設置されたパネルの点検は怪我のリスクも伴います。ドローンは操縦者がいれば点検ができるため、大幅なコスト削減が可能です。また、パネルに人が触れることがないので、作業員の安全確保にもつながります。