ドローンは環境保護やCO₂排出量低減に有効?取り組み事例をご紹介
上空からの映像を手軽に撮影できるドローンは、様々な分野で導入が進んでいますが、最近では産業での活用の他にも環境保護分野での活用も始まり、ますます期待が高まっています。また、バッテリーで飛行するドローンは、物流分野での活用が広がればCO₂排出量を低減できるという側面も見逃せません。この記事では、環境保護分野でのドローン活用事例や、CO₂排出量低減を実現できるドローン配送についてご紹介します。
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ドローンは環境保護分野でも活用されている
ドローンは環境保護分野でも活用され始めています。いくつかの例をご紹介します。
森林火災におけるドローン活用
世界の各地で毎年大規模な森林火災が起きているため、火災現場におけるドローンの活用が注目されています。遠隔操作が可能なドローンは火元の状況をリアルタイムで消防本部に届けることができるため、消火活動支援や二次災害の防止に有効です。さらに近年ではバーンアウト作戦による消火活動にドローンを活用する試みも行われています。
野生動物の保護活動
対象に近づくことなく地上の様子を調査できるドローンは、野生動物の保護活動にも活用されています。例えば近年のオーストラリアの大規模森林火災の際には、熱検出器を搭載したドローンによって危機に瀕したコアラを見つけ出し、保護することに成功しています。
参考:Heat-detecting drones are a cheaper, more efficient way to find koalas
その他にも、絶滅危惧種として指定されている野生動物のモニタリングや海洋生物の調査や保護などにも活用されており、需要に合わせた生態調査用のドローンの開発も進んでいます。
環境アセスメントへのドローン活用
大規模な開発事業などに伴う環境への影響を事前に調査する「環境アセスメント」の分野でも、ドローンの活用が進んでいます。例えば大規模建造物や工場、廃棄物処理施設など、環境への影響が大きいと予想される事業を立ち上げには、事前調査が必須です。ドローンは手軽に様々な場所・高度の大気を測定できることから有用性が高いとされており、実証実験が進められています。
水中ドローンを使ったブルーカーボン観測
温室効果ガスの増加を緩和する上で重要なブルーカーボン生態系を守るため、ドローンを活用したブルーカーボン測定の実証実験が行われています。ブルーカーボンとは海草藻場やマングローブ林などの海洋生態系に貯留される炭素のことです。多くの二酸化炭素を吸収し、長期にわたり有機炭素として貯留するブルーカーボン生態系は、近年急速に消失していることが問題となっています。
ドローンによる水質調査
湖沼を上空から撮影して水質異常の発生状況を調査する試みも行われています。実証実験では画像処理によって従来の船上からの調査よりも詳細な情報が得られることがわかり、公衆衛生分野への応用も検討されています。
CO₂排出量低減を実現可能なドローン配送
地球温暖化が進む要因の一つであるCO₂排出量の低減は、全世界で継続的に取り組まなくてはいけない課題です。中でも主要ターゲットである運輸分野において、ガソリン車で行われている配送をバッテリーで飛行するドローンに置き換えられれば、排出されるCO₂を大幅に削減することができると考えられています。
第三者に対する安全性の確保や運べる重量の限界、悪天候時の対応など、現状では様々な課題が残されているものの、ドローン配送はSDGsの観点からも注目されています。
ドローンの活用は環境保護やCO₂排出量低減の観点からも注目されている
ドローンは、環境保護分野でも活躍が期待されています。また、エコな配送方法としてドローン配送の実証実験も進んでいます。もちろん技術的な課題は多いですが、研究が進めば今以上に多様なシーンで活用されることは間違いありません。ドローンのさらなる活躍が楽しみですね。